ウスネオイデス・スパニッシュモス
名前 | ウスネオイデス / スパニッシュモス / サルオガセモドキ |
原産国 | 北アメリカ〜南アメリカ |
花の色 | 黄緑色 |
温度 | 5~35℃ |
増やし方 | 株 / 種子 |
飼育難易度 |
枯らさないで育てる方法を知りたいな
もくじ
ウスネオイデスの特徴
ウスネオイデスは別名「サルオガセモドキ」や「スパニッシュモス」とも呼ばれています。
サルオガセモドキの名前の由来は、日本に自生している「サルオガセ」に似ているからです。
成長の仕方はどちらも同じで、森林の樹上に着生して下に垂れながら成長します。
遠くから見るとどちらもそっくりな姿形をしています。
ウスネオイデスの生息地
ウスネオイデスは日本にはいない植物です。
主に南アメリカから北アメリカまで広く分布してます。
生息地が広いということは、暑さや寒さに強く気候の変動に適応できるということです。
例えば、ウスネオイデスがたくさん自生しているルイジアナ州の雰囲気はこんな様子です。
夏の最高気温は38℃、冬場の最低気温は8℃くらいなので、関東以南の海沿いの気候と似ているんです。
また、湿度が高めで一年を通じて雨が降ったり、夜になると濃い霧が立ち込める場所に自生しています。
ウスネオイデスが好む環境
ここまでの情報からウスネオイデスが好む環境をまとめると、
- 垂れさがれる場所がある
- 気温は5~40℃の間
- 水分量が安定している
ウスネオイデスが自生している環境に近づけることですくすく育てることができます。
一般的に売られているウスネオイデスの種類
ウスネオイデスにはいくつかの種類があって、国や地域によって見た目や好む環境が違います。
種類と言ってもまだ解明が進んでいないので形や大きさによって呼び名を付けていて、
正式に種類分けされている訳ではありません。
大きく分けて三種類あります。
- 細葉
- 中葉
- 太葉
大雑把な分け方ですが、育てる上では葉のサイズがどれに当てはまるかが重要です。
日本で出回っているのは中葉と太葉タイプの二種類で、太葉の方が流通量が少ないため何の記載もないものは中葉のウスネオイデスと考えてもらって大丈夫です。
中葉・太葉に分類される2つのウスネオイデスを比べてみると、
右側が太葉タイプです。葉の長さも芯の部分の太さも中葉タイプの二倍くらいあります。
太葉の方が銀色の細い毛(トリコーム)の量が多く、白っぽくパステルグリーン色に見えます。
細葉タイプは所有していないため比較することはできませんが、
細葉タイプはエアープランツの専門店でも見かける事は少なく、乾燥に非常に弱く枯れやすいため最も飼育が難しいとされています。
ウスネオイデスが枯れる理由と対処法
ウスネオイデスを育て始めてから2週間後に葉の根元と先端が枯れるといった
問題が起きました。枯れた時の様子はこちら⬇︎
https://5orca.com/2016-09-14-114938/
「水をたっぷりあげて、風通しの良い屋外で育てているのにどうして枯れてしまうの?」
「東京のマンションではエアープランツを育てるのに向いてないのでは?」
と思った時もありましたが、
その後….
黄緑色の新芽が成長して、銀色の毛が密に生えたふわふわなウスネオイデスに成長してくれました。
枯れてしまったところはもう復活しませんが、新しい葉が成長したことで枯れたところが目立たなくなりました。
そんなオルカの体験談をまとめて
- どうして枯れてしまうのか?
- ウスネオイデスをすくすく育てるにはどうすればいいのか?
というところにポイントを置いて解説していきます。
どうして枯れてしまうのか?
ウスネオイデスを購入して2週間くらいが経った頃に、ところどころ枯れてしまいました。
その理由は、水の量が足りないというただ一つの理由でした。
ウスネオイデスは、エアープランツの中でも1,2位を争うほど水分が必要な種類です。
屋外で育てると、夏場は毎晩ミスティングをやっても足りないくらい水が大好きなんです。
なぜ水が大好きなのかというとその特徴的な形と育てる場所に理由があります。
ウスネオイデスは細い葉の集まりなので、他のエアープランツ(例えば松ぼっくりのような形をしたイオナンタや大きくて硬い葉を持つキセログラフィカ)のように葉の根元に水分を蓄えておくことができません。
さらに、フックに吊るして地面から離れたところで育てるのことが多いため、空気の出入りが激しく水分を失いやすい環境にあります。
洗濯物で考えると…
気温20℃を超える暖かい日に屋外で服を干すと、半日もしないで乾きますよね。
洗濯物よりも水分の少ないウスネオイデスを同じ環境に置くとなると、
そりゃ水を欲してしまうのも当然と言えます。
ウスネオイデスを枯らさないための対処法
ウスネオイデスを育てる場所
屋外での管理を洗濯物に例えましたが….
最も美しく、そして速く大きく育てる一番の方法は屋外で育てることです。
室内の方が水やりの回数は少なくなりますが、
風通しが悪いためカビてしまい、ハリのない状態になってしまいます。
室内の方が乾燥しにくいのでその分水をあげない日があっても
枯れる可能性が低くなるという利点はありまが、オススメできません。
屋外が氷点下になる時期には、室内の風通しがよく日当たりのよい
窓際近くが好ましいです。
ウスネオイデスへの水の与え方
エアープランツは土が要らないので水のあげ方も変わっています。
水のあげ方は2種類あります。
ミスティング
霧吹きでエアープランツ全体を湿らせて水を与える方法です。
この方法は周りを水浸しにしなくて済むので手軽にできるというのが利点です。
欠点は、水が少量なので植物が吸収する前に乾いてしまい、水分が植物全体に行き渡りにくいことです。
ソーキング
こちらの方法がオススメです。
水を張った容器の中にエアープランツをつけ込んで全体から水を吸収させる方法です。
夜寝る前にボールに水を張って次に日の朝まで8時間ほど放置するのがベストです。
「そんなにすると溺れ死ぬのでは!?」と思うかもしれませんが、全然大丈夫。
ウスネオイデスを8時間水に浸けておくと、葉が隅々まで水を溜め込んで全体的に硬くなります。
乾かして触った時の感覚は「シャキッッ!!」としていてハリが出ます。
夏はソーキングを週に2回
ソーキングをしない日は夜にミステイングを行います。
冬はソーキングを週に1回
2日に1回ほどミスティングを行います。
これだけ水をあげれば絶好調になるのが太葉タイプで、
中葉タイプはそれでも先っぽが少し枯れてしまうことがあるんです
細葉タイプになるとさらに乾燥が早いため、屋内でも管理が難しく、どこかしらが茶色く枯れてしまうそうです。(流通量が少なくほとんど見かけません。ネットで売っている細葉と表記されているのは大抵中葉タイプです。)
太葉と中葉タイプを比較すると中葉タイプの方が世話が必要で、
気がついたらミスティングするとか、日陰に置いて乾燥しにくい場所に置くといった工夫が必要です。
https://5orca.com/tillandsia_itme_summary/
ウスネオイデスの不調の見極め方
- 葉の先端あたりが茶色く枯れる。
- 内側が茶色く枯れる。
- 葉に黒い斑点ができて枯れる。
1.葉の先端あたりが茶色く枯れる
水分量が足りなく、もっともデリケートで乾燥しやすい葉の先端がやられてしまったためだと考えられます。
- 場所は変えず、こまめにミスティングをして先端部分が乾燥するのを防ぐ。
- 置き場所をより日陰にする。風の通りが少ない場所にする。
2.内側が茶色く枯れる
ミスティングだけをしていた場合に起こりやすいです。
ミスティングの時に、外側には水がかかりやすいので水分補給が十分にできているため葉が青々と元気なのですが、
よく見えない内側までは水が行き届いていないために、
乾燥に耐えられずに枯れてしまいます。
- ソーキングを週に1回ほど8時間ほど行う。
- ミスティングで水が滴るまでしっかり行う。数分おいてもう一度水をあげる
3.葉に黒い斑点ができて枯れる
黒いのはカビです。ソーキングやミスティングの頻度が問題ではなく、風通しが悪い環境が問題です。
水が乾き切らずに湿った状態が続いてしまったために葉が呼吸できず、
葉の周りに菌が繁殖してしまったことが要因です。
この症状は屋内の管理で起きやすいです。
- ソーキングやミスティングをした後は扇風機やエアコンの風が直接当たらない場所で空気の循環があるところで早めに乾かすことが重要です。
- 黒カビを見つけたら早めにその葉ごと除去しましょう。一度黒カビが着いた葉が回復することはないので、広がる前に除去した方が見栄えを保つことができます。
ウスネオイデスの選び方
ウスネオイデスを育てられそうと思えてきましたか?
さっそくウスネオイデスを育ててみようと思った方に、選び方についてのアドバイスです。
- できるだけ大きな株を選ぶ
- 内側が枯れていないかチェックする
- 太葉のウスネオイデスを選ぶ
大きな株にする理由
大きな株にすると葉の水分が奪われにくくなります。
そのため乾燥しにくくなり水をあげない日があっても、
水が隅々まで行き渡らない日があっても
周りの葉同士が守りあって枯れにくくなります。
大きな株ほど高価になりますが、成長も早く良いことづくめです。
内側が枯れていないかチェックする
内側が枯れてしまっていると、吊るしている時に枯れた部分から切れてしまう可能性があります。
特に、マンションでは突風が吹いたりする場合もあるので、内側の枯れ具合をチェックするのは重要なポイントです。
太葉のウスネオイデスを選ぶ
太葉のウスネオイデスの方が乾燥に強く枯れにくいというのが理由です。
まだ太葉のウスネオイデスは流通量が少なく、高価になる可能性がありますが、
銀色のトリコームが生えてフサフサしていて存在感もありますよ!
それでもウスネオイデスが枯れてしまった…という場合や、
枯れてしまったところを取り除いてやり直したい!と思ったら
https://5orca.com/tillandsia_usneoides_how_to_remake1/
まとめ
エアープランツの代表格であるウスネオイデスのすくすく育つ育て方についてまとめました。
エアプランツに興味があるけれど枯らしてしまわないか心配という方には、
コットンキャンディーがおすすめです。
枯れにくく・成長が早く・大きな花を毎年咲かせます。
https://5orca.com/2017-04-01-113000/
作り物かのようなパステルグリーンで大きな葉が特徴的なストレプトフィラも丈夫で環境に順応しやすいのでオススメです。
水を与えると驚くほど葉にハリが出るんです!
https://5orca.com/tillandsia-streptophylla_how_to_curl/
エアープランツの飼育についてもっと知りたい方はこちらの記事へ
https://5orca.com/begining_airplants/
他にも気になるエアープランツがありましたらチェックしてください